e-経営コンサルタント通信ではリストラ・資金繰り・経費削減などの問題を経営者の視点で吉岡憲章が経営コンサルティングいたします。

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経営再建プロデューサーリポート

“やろうぜ再建!!” 破産・夜逃げにならぬために…

VOL05

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          ***不渡り2回が“倒産”ではない***

 よく「手形の不渡りを2回出すと会社は倒産だ」と思っている人
がいますし、したり顔で「不渡り1度だから、まだ倒産じゃないと
言っている経営者がいます。

 ここに大きな間違いがあり、銀行取引停止と倒産をごっちゃにし
ている事による誤解です。
1度も不渡りを出さないでも、倒産はありますし、この4月に立法
化された民事再生法では、不渡りどころか債務超過の状態になれば
立派に(?)倒産の資格を得ることが出来るわけです。

 私の体験した倒産では、平成10年9月末に銀行の強制回収によ
り、思わぬ手形不渡り事故が発生したのですが、その時社長は「ま
だ不渡りは1度だ、2度迄は倒産じゃないから、もう一度不渡りを
出さぬよう頑張ろう!」と社員に檄を飛ばしていました。

 恥かしながら、私もほとんど同じ様な気持ちで、「6日後に来る次
の手形決済を何とかクリアしよう」と考えていました。
沢山の障害を振り切り、乗り越え、何とか次の決済は出来ましたが、
後になって思えばチョットちがったかなと思います。

 不渡り事故を出しますと、その翌朝から預金通帳が全部クローズ
され、全く凍結されてしまいます。
取引銀行は、よってたかって、割引した手形の返済を求めて来ます
し、その金が無いから不渡り事故を出してしまったと言うことを、
知り尽くしていても、「それはそれ」とばかりに請求してきます。

 銀行の立場になれば、それもまた当然なんでしょうがね。
債権譲渡予約させられていた売掛金はどんどん回収が実行されてし
まいます。

 まるで、池に引きずり出され、よってたかって水面に顔を浸けら
れ強引に殺されてしまう様な感じがします。
憤りで鳥肌が立ちます。

 私の創業した会社は不渡りを1度も出さないのに、破産宣告し、
連鎖倒産の憂き目に会いました。

 不渡り事故の数日後、朝出社しますと、顔つきの言いようのない
すごい人達が何人も本社に押し掛けて来ました。
私は、“その筋の人”がなぐり込みに来たのかと思いましたら、「税
務署だが差し押さえに来た」と言われました。

 資金繰りの関係もあり、法人税を何度かの分割にして、了承をも
らって、手形で納付していましたが、「期限の利益の喪失」という事
で金庫や帳簿まで開かせ、有価証券はもとより、売掛債権までこと
ごとく差し押さえをして行きました。
社長は腰を抜かさんばかりに驚き、会社の裏口から脱走をしました。

 又その数日後、ある公共機関が銀行(債権者でない)に預けてあ
る社員の給与のための預金を差し押さえ、奪って行きました。
その為給与の支払いが出来ず、遅配という事になってしまいました。

これらの突然の税務署を始めとする“権力”による差し押さえは、
ことの他、社員達の心に大きな衝撃を与え、再建への気力や団結を
崩壊させる事に繋がりました。

 いざとなった時、そこに更に追い打ちをかけるのは、銀行と所謂
国家を始めとする“権力”であると言うことを実感しました。
そして、この仕打ちは、疲れた心を更にズタズタに引き裂いてしま
います。

 この様に、不渡り事故を1度でも出すと、今までは頼りにしてい
た周囲が、よってたかって引きずり倒し、潰してしまうのです。
この事実を経営者や経営幹部の方々は、充分認識して下さい。

 VOL.03でも書きました様に、「自分の心に不安を感じたら」
直ちに経営改革を断行して下さい。
不渡り事故を1度でも出してしまったら、もう遅いのです。

              経営プロデューサー  吉岡憲章

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